Domybest65

side:

どれだけ反対しても雅紀は譲らなかった。

自分が話すときかない。

頑固な雅紀だから俺が折れるしかなかった。

ただ、すぐに連絡の取れることが条件。

わかったよ、雅紀。

但し、条件がある。

あまり人気のないところにいかないこと。

話が終わったらすぐに連絡すること。

じゃないと

そこまで話すと雅紀が腕に掴まり擦り寄ってきた。

学校でこんなことするのは珍しい。

わかった、大丈夫ちゃんと連絡する。

滝沢と話をするのは明日。

明日までは俺も落ち着かないな。

日が暮れ始めた英語準備室で雅紀とふたり。

窓から見える桜の木は秋の終わりを感じさせた。

次の日。

夜、なかなか寝付けなかった俺は早と目が覚めてしまった。

何をするわけでもなくただソファに座ってボーッとした時間を過ごす。

そんな時だった。

スマホが鳴って雅紀から連絡があった。

翔ちゃん、おはよう。

なんかモヤモヤしてんの嫌だから今日の朝話すことにした。

早めに学校に行くね。また後で。

昨日、雅紀と話して決めたんだ。

雅紀に任せるって。

だから一言だけ。

おはよう。わかった、また後でな。

それだけ返信した。

とはいえ、やっぱり気になるから身支度を整えて早めに家を出た。

車を走らせながらいろんなことを考える。

最悪のケースも頭に入れておかないと。

そんなことを考えていたら、あっという間に学校に着いた。

雅紀は滝沢と話をしてるのかな。

車を停めて校舎に向かう。

その時、

先生、おはようございます。

声がして振り返った。

目の前にはニコニコ笑う二宮。

二宮、おはよう。お前早いなぁ。

今日はたまたまです。

靴箱まで一緒に行くと、

アレ、まーくんの靴。

珍しい、こんなに早く来るなんてそう無いのに。

雅紀が来てることはわかった。

二宮と別れて一度職員室に顔を出す。

少し早いけど、授業の準備をしてHRのために教室に向かった。

雅紀を探すけどいない。

スマホを確認するけど何の連絡も無い。

大丈夫、もう戻るはず。

自分に大丈夫だと言い聞かせるしかなかった。

チャイムが鳴ってHRが始まる。

でも、雅紀はいない。

余計なことを考えてしまう。

悪いことを想像してしまう。

目の前の生徒に話をしてるけど、頭のどこかで違うことも考えてしまう。

その時だった。

ーガラッ

すみません、ちょっと遅れました。

息を切らした雅紀が入口に立っていた。

俺を見つめる目は力強く感じる。

雅紀の声に言葉を返す。

相葉、席に着け。

今日はギリギリセーフにしてやるから、次から遅れないように。

促されて俺の前を通り過ぎる時に目が合った気がする。

穏やかで柔らかい目をしていた。

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