メモ:「生命科学部(仮称)設置構想について | 京都産業大学」

昨年10月17日の「国家戦略特区ワーキンググループ」のヒアリングで、京産大が「文部科学省が事前協議さえ受け付けてくれない」と嘆いていたわけで、文部科学省の「妨害」が無ければ、京産大が選ばれる可能性は少しでも上がっていたでしょうが、「文部科学省が門戸を閉ざしていた」のを理解してないと、「加計だけが選ばれたのはおかしい」から先には進めませぬ。

生命科学部(仮称)設置構想について | 京都産業大学

京都産業大学は、2019年4月に向けて総合生命科学部を再編し、新たに『生命科学部(仮称)』を開設することといたしました。

以下、本構想に至る経緯と新学部の特色・魅力について説明します。

1965年に理学部と経済学部の2学部体制で発足した本学は、学部・学科の新設により、大学の充実を図り、今日では9学部、10大学院、6研究所を擁する大学にまで発展してきました。

この間、開学25年目の1989年に理系としては2番目の学部である工学部を開設しました。

本学は、この工学部に生物工学科を設置することで、本学のライフサイエンスの教育・研究に初めて着手しました。生物工学科は、バイオテクノロジーに特化した学科としては、全国の私立大学に先駆けて開設されたものであり、当時としては非常に特色のある学科でした。

生物工学科は21年間にわたり活動を続け、本学におけるライフサイエンスの教育と研究の基盤を形成しました。

しかし、21世紀を迎えるとともに、急速に発展するライフサイエンスとそれに対する社会からの様々な要請に対応するため、学部を改組し、同分野を強化する必要が生じました。

そこで本学は、2006年に鳥インフルエンザ研究センターを設置し、基礎研究に加えて、応用的な研究を開始するための体制を整えました。

また、2010年には工学部生物工学科を発展的に解消して、新しく総合生命科学部を開設しました。

総合生命科学部は、生命システム学科、生命資源環境学科、動物生命医科学科の3つの特徴的な学科から構成されており、分子から細胞・組織・個体、ウイルスなどの微生物から動物、植物、さらには生物を取り巻く環境までを視野に入れ、ライフサイエンスを包括的に、基礎研究から応用研究まで幅広い研究を行っています。

総じて総合生命科学部は、今日に至るまで、高い水準のライフサイエンス研究を行ってきたと自負しております。

この3学科の一つである、動物生命医科学科は、獣医師の資格を持つ教員から構成されており、鳥インフルエンザ研究センターとともに、将来の獣医学部開設の可能性を見据えたものでありました。

本学は2004年に獣医学部の設置を構想し、文部科学省に対して継続的に設置を求めてきましたが、告示等による規制のため進展しませんでした。

そこで、京都府と連携し、2016年3月、この動物生命医科学科を母体として、同学科の強みである実験動物学と感染症を基盤とし、創薬等のライフサイエンス分野に特色を持つ獣医学部の開設を、京都府からの国家戦略特区への提案を通じて申請しました。

しかし、2017年1月4日の内閣府および文部科学省告示を受けて、学校法人加計学園獣医学部の設置を申請するに至りました。

このことにより、我が国の獣医学教育を担う教員が少ない現状の中で、今後さらに申請しようとする大学にとっては、国際水準に資する教育を実施できる優秀な教員を確保することが極めて難しくなりました。

このような状況を踏まえ、本学は立ち止まることなく、速やかに総合生命科学部の改編による新学部設置の検討に着手しました。

新しい学部は、獣医師を養成することはできませんが、獣医学部構想に含まれていた動物生命医科学科の特色を継承しつつ、生命システム学科、生命資源環境学科で実施されてきた優れた基礎研究を取り込んで、さらに魅力ある学部を設置することに至りました。

新学部には、これまでの3学科の特徴を1つの学科に集約、高度化し、先進的なライフサイエンスの教育を行う先端生命科学科を設置します。

さらに新たな試みとして、ライフサイエンスの知識を基盤とし、そこに社会科学的な素養や汎用的な知識を備えた人材を育成する産業生命科学科を設置します。

すなわち、生命科学部は、先端生命科学科と産業生命科学科の2学科構成といたします。

さらに、それぞれの学科は、学びの分野を明確にし、医療と健康、食料と資源、生態と環境の3つのコースを設けて、専門性を高めます。

また、動物生命医科学科で実施してきた、実験動物1級技術者、食品衛生管理者の資格取得についても継続して取り組みます。

今後は、創薬ES細胞・iPS細胞等の最先端医療技術開発に関わる動物実験の需要が高まることが予想されるため、高度な知識と技術を有する実験動物技術者の育成に関わる国家資格の創設等について、京都府とともに求めていくこととします。

研究においては、国際的にも高い評価を得ているタンパク質動態研究をはじめ、発生・再生医学、インフルエンザウイルスなどを対象とする感染症研究、植物生理学、ミツバチを含む動植物育種学、植物ゲノム解析、集団遺伝学、ダニなどの環境微生物研究など、これまで総合生命科学部で培ってきたテーマを新学部でも継続するとともに、共同研究などにより学部内で積極的に融合を図ることで、より一層研究を発展させていきます。

以上、本学は獣医学部構想については断念するものの、これまでの動物生命医科学科の特色を継承しつつ、本学がこれまでに築き上げてきたライフサイエンス研究の知見とノウハウを盛り込むことで、より魅力的な学部である生命科学部(仮称)を開設し、ライフサイエンスの分野における様々な課題に取り組むことで、社会に貢献してまいります。

https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20170714_345_news.html

「国家戦略特区ワーキンググループ ヒアリング(議事要旨)」

(開催要領)

1 日時 平成28年10月17日(月)11:11〜11:43

2 場所 永田町合同庁舎7階特別会議室

3 出席

<WG委員>

座長 八田 達夫 アジア成長研究所所長

大阪大学社会経済研究所招聘教授

委員 阿曽沼 元博 医療法人社団滉志会瀬田クリニックグループ代表

委員 本間 正義 東京大学大学院農学生命科学研究科教授

委員 八代 尚宏 昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授

<提案者>

中村 繁男 京都府農林水産部副部長

大西 辰彦 京都産業大学副学長

大槻 公一 京都産業大学教授

上村 浩一 京都府農林水産部畜産課長

中路 幾雄 京都府商工労働観光部特区・イノベーション課担当課長

<事務局>

藤原 豊 内閣府地方創生推進事務局審議官

坂井 潤子 内閣府地方創生推進事務局参事官補佐

(議事次第)

1 開会

2 議事 新たな獣医学部・大学院研究科の設置のための抑制解除

3 閉会

(略)

○本間委員

御説明いただいたところは全て納得といいますか、私もライフサイエンスの学部におりますので、御主張は全面的に賛同いたすところです。

なおかつ、医者と違って獣医師に関しては総量規制をすることは全く必要ないと思っていまして、特区指定のある今治のほうでの提案もあって、文科省等々、相当いろんな議論を詰めてというか、すれ違いが多いのですけれども、やっているところであります。

まず、このプランは文科省に設置の申請といいますか、文科省との話し合いはどの程度されて、どういう回答をもらっているのか、そのあたりをお聞かせいただければと思います。

○大西副学長

御説明の中にもあったのですけれども、我が方としましては、2010年に総合生命科学部を開設いたしまして、11名の獣医師の先生をお招きしております。

そういった取り組みのもとで、文部科学省への事前協議ということでお話をさせてもらっておりますが、今、門戸は開かれていないということで、文科省としては具体的な協議を進めることはできないということで、何回かにわたってお願いをしておりますけれども、そのところではねつけられてしまっているというのが現状でございます。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/teian/161017_gijiyoushi_01.pdf

京都産業大獣医学部の新設断念 特区活用で計画

政府の特区ワーキンググループの八田達夫座長は、京産大の提案について「結果的に十分な熟度を伴った提案ではなかった」とのコメントを出した。